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死刑執行中脱獄進行中

30 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのI:2001/11/23(金) 23:26
『車』は何故動いているのか不思議なほどに
歪んでいたが、走行自体にはさほど支障はなさそうだった。
絶えず続く振動には閉口せざるを得ないだろうが。
「なあ・・・・さっきから思ってたんだがアンタ・・・・・」
車が再び動き出すと、少女が『運び屋』の足を見ながら
口を開いた。
「『それ』・・・・・なんなんだ・・・・・・?」
少女の顔が強張るのがわかるが、『運び屋』には
自分の足には何も異常など無いように『見えた』。
この場合『何も見えなかった』と言った方が正しいのだろうが。
極度の疲労が―――足からエネルギーが流れ出てゆくような
感覚だけが『運び屋』にはあった。
少女が『それ』を凝視していると・・・・・
『運び屋』の座っているシートが突然陥没する・・・!
「うあああッ!!しっかりしやがれッこのバカッ!!」
ハンドルをあらぬ方向へと切ってしまう『運び屋』の手を、
少女は必死に抑えつける。
「何を『連れて』来てんだッオメェ―――はよォ――――ッ!?
 『そいつ』・・・・・『動いて』やがるぞッ!!!」
『陥没』の理由は―――座席の下部分ごと『そいつ』に切断された
からのようだ。
アクセルを踏む足には既に感覚はほとんど無かった。
時速100キロを超える速度で、『車』は駅へと向かっていた。

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