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『木綿ネズミの海域』
1 :
→
:2003/07/16(水) 15:13
ニュージーランド沖・・・・・・・・・
トロール漁船『洋楼丸』は、操業を終えて日本へ向かう途中だった。
乗組員は、全部で8名。
最初の犠牲者は、『井上』。
50歳を少し過ぎた、船内最年長のベテラン・・・・・・・・・・その『井上』が
変わり果てた姿で発見されたのは、船内の通路だった。
通路にグッタリと倒れているのを副船長の『海老原』が発見した時には、
すでに息絶えていた。
喉には、いつも『井上』が携帯していたナイフが突き立てられていた。
その夜・・・・・・・・・・乗組員達は、各々の寝床の中で冥福を祈る。
だが、それは幕開けに過ぎなかった・・・・・・・・・・・・・。
2 :
→
:2003/07/18(金) 01:38
翌日。
『井上』の死を引きずったまま、乗組員達は起床した。
船長の『大柳』が、朝食を食べる乗組員達を集めて話を始めた。
「みんな、井上さんの事で落ち込んでいる気持ちは分かる・・・・・・・・・・。
だが、大事な話なので聞いて貰いたい。
『星野』と調べたんだが、井上さんは・・・・・・・・・・・」
そう言い掛け、『大柳』の声が止まった。
「おい、星野はどこだ?」
3 :
→
:2003/07/18(金) 01:50
『星野』・・・・・・・・・・・
船医の経験があり、船内では最も医学知識のある男だった。
聡明で、乗組員達からの信望も厚い。
「そういえば、今朝は見ませんね・・・・・・・・・・星野さん。」
『山下』が、呟く様に言った。
周囲がどよめく・・・・・・・・・・それを制したのは、『大柳』だった。
「みんな、手分けして船内を探してくれ。」
4 :
→
:2003/07/18(金) 02:12
『洋楼丸』乗組員
『大柳 剛』(40) 『海老原 誠』(34) 『星野 敦士』(37)
『井上 潤平』(52) 『山下 耕一郎』(30) 『飯田 雅史』(25)
『米倉 純一』(24)
・・・・・・・・・・・そして、君(名前を明記)。
『星野』を探す為、乗組員達は動き始めている。
『一人で探すか?』『誰かと一緒に行動するか?』
5 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/07/19(土) 00:22
「何だか気味が悪いな・・・・・・・・・。」
「『米倉』、『飯田』、一緒に星野さんを探そう。」
同年代の『米倉』と『飯田』を誘って『魚倉』へ向かう。
6 :
→
:2003/07/19(土) 00:35
>>5
「どうする?」
短い茶髪の頭を撫でて、『米倉』が問い掛けた。
それに対して、『飯田』が細い目をさらに細めて口を挟む。
「そうだな。
3人なら、何かあっても大丈夫だろ・・・・・・・・・・行こうぜ。」
3人は、他の乗組員達に続いて食堂を出た。
『武井』を先頭に、魚倉へと向かう・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・ふと、通路の床に何かが付着しているのを見つけた。
7 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/07/19(土) 00:43
>>6
「ん?
ちょっと待て・・・・・・・・・・・これは、何だ?」
『米倉』と『飯田』を制し、その付着している何かを、指ですくう。
8 :
→
:2003/07/19(土) 00:47
>>7
『それ』は、少し粘り気のある液体の様だった。
微かに熱を帯びていたが、何なのかは分からない・・・・・・・・・・。
「何だ、それ?」
後ろの『米倉』が言った。
その液体は、通路を点々と続いている。
9 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/07/19(土) 01:05
>>8
「良く解らない・・・・・・・・・魚の体液だろうか?
よし、辿ってみよう。」
その液体を指針として、続いている方向へと向かう。
10 :
→
:2003/07/19(土) 01:17
>>9
『武井』に先導される様に、3人は通路を進んだ。
「気味が悪いな・・・・・・・・・」
『飯田』が呟いた瞬間、『武井』の眼前に人影が飛び込んで来た。
通路の壁にもたれる様にして、誰かが倒れている・・・・・・・・・・・。
後ろの2人も、それを見つけて硬直した。
11 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/07/19(土) 01:22
>>10
「まさか、『星野』さんか?」
その誰かを確認するべく、近づいて顔を確認する。
12 :
→
:2003/07/19(土) 01:31
>>11
人影に駆け寄ると、それが副船長の『海老原』である事が分かった。
凄まじい形相をしたまま、口を大きく開いて死んでいる・・・・・・・・・・・・。
その口から流れた液体が、床に垂れているのが分かる。
『米倉』と『飯田』は、『武井』を見守る様に立ち竦んでいた。
「おい・・・・・・・・星野さんか?
し、死んでるんじゃないよな?」
『飯田』が口を開いた。
その声は、少し震えている・・・・・・・・・・。
13 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/07/19(土) 01:40
>>12
「何ッ!?
・・・・・・・・・・・・これは、『海老原』さんだ。」
(この液体は何なんだ?点々と続いていたと言う事は・・・・・・・すぐには死なず、ここまで歩いたって事か。)
『米倉』と『飯田』の方へ向いた。
「どうやら、『海老原』さんは殺されたらしい。」
14 :
→
:2003/07/19(土) 01:44
>>13
「おい!」
『米倉』が声を荒げた。
「何言ってんだ・・・・・・・」
そう言って近付いて来たが、『海老原』の顔を見て硬直する。
『飯田』は、その場から動かない。
「こ、殺されたって・・・・・・・・・・『誰に』だよッ!?」
15 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/07/19(土) 01:53
>>14
「はっきり言って・・・・・・・・・・・・見当も付かない。
だが、予定通り『星野』さんを探すべきだって事は解る。
生きていても、死んでいても・・・・・・・・・・・・。」
漁具倉庫へと足を進める。
16 :
→
:2003/07/19(土) 02:02
>>15
「お、俺、船長に報告して来るぞ!」
『米倉』が叫ぶ様に言った。
『飯田』は、『武井』と『米倉』の顔を交互に伺って口を開いた。
「だったら、俺が行くッ!
悪いけど、『ヤバイ』気がするんだ・・・・・・・・・・悪い、行かせてくれ。」
2人は、『武井』の言葉を待つ様に見つめている。
17 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/07/19(土) 02:06
>>16
「2人で報告しに行けば良い。
こんな状況だ・・・・・・・・・・止めやしないよ。」
踵を返して、再び漁具倉庫へと向かう。
18 :
→
:2003/07/19(土) 02:43
>>17
『米倉』も、『飯田』を向いて頷いた。
「悪い・・・・・・・・・お前等、気を付けろよ!」
そう言い残して、『飯田』は通路を走り去った・・・・・・・・・・・。
2人は、しばらく見送った後、『海老原』を残して倉庫へと急いだ。
『ドスゥッ!!』
魚を銛で刺した様な音・・・・・・・・・・そして、小さく呻く声が後ろから聞こえた。
19 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/07/20(日) 00:28
>>18
「誰だッ!」
素早く後ろを振り返る。
20 :
→
:2003/07/20(日) 21:47
>>19
振り向くと、『米倉』が丸くなっていた・・・・・・・・・・。
小さく震えながら、呻いている。
屈み込んだ『米倉』の口から、ポタポタと何かが垂れていた。
「ハ・・・・・・ァ・・・・・・・・く、く・・・・・・・・」
呻きながら、『米倉』が苦痛に歪んだ顔を向ける。
それは、『海老原』と同じ様な苦悶の形相だった・・・・・・・・・・・口からは、同じ様に
液体が垂れている。
21 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/07/21(月) 00:04
>>20
「どうした『米倉』ァッ!!」
『米倉』に近づき、揺さぶり意識に問い掛ける。
22 :
→
:2003/07/21(月) 23:25
>>21
『米倉』は、目を見開いて『武井』を見つめた。
声にならない声で、何かを訴えている。
・・・・・・・・・・・だが、それも長くは続かなかった。
床に崩れる様に横たわると、少し痙攣してから動かなくなる。
23 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/07/22(火) 00:22
>>22
「また、死んでしまったか・・・・・・・・・。」
手で『米倉』の瞼を閉じる。
「しかし、不可解なのは・・・・・・・『ドスゥッ!!』と言う、あの『音』だ。
『米倉』は何も持っていなかったはずだが・・・・・・・・・・・。」
『米倉』の背中等に『外傷』が無いかを調べる。
24 :
→
:2003/07/22(火) 00:31
>>23
遺体を調べたが、背中に傷は無かった。
・・・・・・・・・・・・ふと、誰かが食堂の方から通路を走って来る。
微かに話し声も聞こえた。
25 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/07/26(土) 00:18
>>24
「傷が無いな・・・・・・・・・・。」
周りを見渡し、銛の様な物が無いか確認する。
その後、足音に気付く。
「誰だッ!」
大声を出す。
26 :
→
:2003/07/26(土) 04:25
>>25
「大丈夫か・・・・・・・・・・・・」
『武井』の声に応える様に、聞き慣れた声が通路に響く。
走って来たのは、『山下』と『飯田』だった。
息を切らせて『武井』の元に来ると、『米倉』を見て驚く。
先に状況を問い質して来たのは、『山下』だった・・・・・・・・・・・・。
「おい、どういう事だッ?
『米倉』は・・・・・・・・・・誰が?何があった?」
27 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/07/29(火) 00:00
>>26
「誰が?何が?僕にもその2つが解りません。
ただ、『米倉』さんがすでに『死亡』しているのは確かです。」
『米倉』の口に詰まった『ゼリー』を掬って『山下』に見せる。
「もう1つ解らない物がありました・・・・・・・・・これが何か解りますか?『山下』さん。」
『山下』の『表情に注目』する。
まあ、例え『山下』が『原因か何か』だったとしても、これぐらいの事でボロを出す訳も無いが・・・・・・・。
28 :
→
:2003/07/29(火) 23:53
>>27
『山下』は、不審気に『武井』を見てから、その手の物体に目を移した。
「少し臭うな・・・・・・・・・。
何か・・・・・・・・『血』か『体液』っぽいが・・・・・・・・・
生魚を煮ると、こんなのが出た気がした。」
少しの沈黙の後、『山下』はハッとした様に顔を上げた。
「・・・・・・・・・・・そうだ、『星野さん』が見つかったんだ!
『武井』!一旦、船長の所に戻るぞ!」
29 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/07/30(水) 00:30
>>28
「本当ですか!?」
『山下』の指示通りに船長の所へと戻る。
30 :
→
:2003/07/30(水) 19:52
>>29
『山下』は、後ろで手を合わせていた『飯田』を急かしながら通路を
早足で戻り始めた。
「行くぞ、早くしろ!」
その声には、少し苛立ちを感じる。
・・・・・・・・・・・・『武井』は、2人と共に『星野』の部屋へ向かった。
部屋には、船長の『大柳』と『星野』がいた。
『星野』はベッドに座っており、『大柳』椅子に腰を掛けている。
31 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/08/01(金) 00:32
>>30
『星野』に近づき、質問する。
「今まで何処に居たのですか?」
32 :
→
:2003/08/01(金) 21:55
>>31
『大柳』が、椅子に座ったまま『武井』を制した。
「まぁ、待て。
今から説明する・・・・・・・・・これからの事もな。」
そう言って、『星野』を見る。
『星野』は、ベッドから立ち上がって口を開いた。
「みんなには、すでに言ったが・・・・・・・・・・
『老婆に出会った』。」
33 :
→
:2003/08/05(火) 01:45
『星野』の話によると━━━━━━━━
前日の夜、目が覚めた『星野』の部屋の中に『1人の老婆』がいたという。
『老婆』が、手に何かを持っているのを確認出来た。
だが、『星野』は恐怖で気絶してしまったとの事だった・・・・・・・・・・・。
「信じて貰えないだろうが、そのまま気絶していたらしい。
今さっき、船長に起こされるまでね・・・・・・・・・・。」
『星野』は、そう言って話を締め括る。
続いて、船長が言った。
「・・・・・・・・・・・とにかく、『星野』は見つかった。
だが、問題は大きくなっちまったらしいな・・・・・・・・・・・。」
34 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/08/10(日) 00:36
>>33
「『米倉』と『海老原』さん・・・・・・・・・2人が奇妙なゲル状のものを口いっぱいに詰めて死にました。」
と『船長』らに伝えた後、『星野』の方を向き、訊ねる。
「こんな病気、あるんですか?」
35 :
→
:2003/08/10(日) 01:44
>>34
『星野』は、少し首を傾げてから言った。
「分からないな・・・・・・・・・。
だが、口に付着していたのは『体液』か何かかも知れない。
体液を加熱すれば、固体になる事もあるらしい。」
船長の『大柳』が、それを聞いて口を開く。
「体液が固まるほどの『熱』を出す病気という事か?」
「いいえ、詳しい事は・・・・・・・・・・・・
ですが、『未知の病原体』である可能性はあると・・・・・・・・・・・」
『星野』の言葉を遮る様に、突然の呻き声が室内に響いた。
36 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/08/10(日) 01:55
>>35
「まさか・・・・・・・・・。」
室内を見回して、呻き声を出している人を探す。
37 :
→
:2003/08/10(日) 15:31
>>36
振り返ると、『山下』が呻き声を上げながら床に崩れ落ちる所だった。
その隣の『飯田』は、混乱して立ち尽くしている。
「山下!!」
船長が叫ぶ・・・・・・・・・・
『山下』は、仰向けになって苦しんでいたが、すぐに動かなくなった。
カッと目を見開いたまま、紅潮した形相で口から液体を流している。
38 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/08/13(水) 00:23
>>37
『山下』を呆然と見つめる。
(何人死ぬんだ・・・・・・・・・・?クソッ!)
(しかし、『この病気』は一体何だろう?急がないとみんな死ぬ・・・・・・・・)
(特に俺は一番このゲル状と接触している。)
(何が『この病気を』運んだのだろうか?魚か?星野さんの言う『老婆』か?)
(何故『老婆』がこの船に?)
『山下』の額に手を当てて、体温を測る。
39 :
→
:2003/08/15(金) 01:55
>>38
「おい、触るな!」
『山下』に手を伸ばした『武井』を、船長が止めた。
「これが病気か何かだとしたら、下手な事はしない方がいい。
とにかく・・・・・・・・・・救助船に連絡してみる。
お前達は、食堂に集まって待機してろ。」
指示を受け、『飯田』と『星野』は部屋を出て行く・・・・・・・・・・・。
40 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/08/21(木) 00:47
>>39
「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
『山下』に向けた手をそっと戻す。
その後、食堂に向かい、着いたら待機する。
41 :
→
:2003/08/21(木) 01:21
>>40
部屋を出た。
すでに、『飯田』と『星野』の姿は見当たらず、『武井』は1人で食堂に向かう。
・・・・・・・・・・・・・食堂へ向かう途中には、船員達の部屋がある。
小さいが個室になっており、出入り口は通路に面した扉が1つだけ。
『武井』は、並んだ扉を通り過ぎながら、死んだ仲間の事を思い出した・・・・・・・・・・。
それが夢なのか現実なのか、まだ実感が無い自分に気付く。
死んだ副船長・・・・・・・・『海老原』の部屋の扉が、微かに開いていた。
42 :
『武井 泰樹』(24)
:2003/08/28(木) 00:08
>>41
(『海老原』さんの部屋か・・・・・・・・・・・・。)
何気無く、『海老原』の部屋の扉を開いて覗く。
43 :
→
:2003/08/29(金) 00:23
>>42
『武井』が扉を開くと、薄暗い室内で微かに物音が聞こえた。
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