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死刑執行中脱獄進行中

1 :新手のスタンド使いかッ!?:2001/11/17(土) 18:58
街のはずれにひっそりと佇む『刑務所』。
ここの『住人』には規則正しい毎日と
変化のない退屈な日々が与えられる。
中には『それ』に耐え切れず精神を病んでしまうものもいる。
もし貴方が『能力』をお持ちなら―――考える事はただ一つだろう。
『情報』だ・・・目を通すのも良いかもしれない。>>2

2 :新手のスタンド使いかッ!?:2001/11/17(土) 18:58
刑務所関連でのバトルや脱獄後の経過などを扱っていく
スレッドです。前者が主になるかもしれません。・関連スレッド
 倉庫の善意。『刑務所”M”』
 http://green.jbbs.net/movie/bbs/read.cgi?BBS=698&KEY=1004968084&LAST=100・11月17日現在で『逃亡者』は『譲刃ノリコ』のみです。
 彼女に関する詳細は>>3を。

3 :新手のスタンド使いかッ!?:2001/11/17(土) 18:59
刑務所教戒師の下で軟禁状態だった少女―――
『譲刃ノリコ』は『運び屋』"A"の手助けにより
刑務所からの脱走に成功、現在シスターの繰り出す
『追手』からの追撃を受けている。
最新の状況は↓に。
http://green.jbbs.net/movie/bbs/read.cgi?BBS=698&KEY=1004968084&START=549&END=550

4 :”A”『モービィ・ディック』:2001/11/18(日) 23:40
>>3
「『鍵』‥‥『金剛力士像』ね
ノリコ嬢‥‥何か知っているか?」
火の点いていない煙草をくわえながら、指先で無精髭の生えた顎をなぞる。
「『知っているか?』じゃねーだろォーッ!!まさかてめー、『取りに行く』とか抜か
すんじゃねェーだろーなッ!?」
「いや‥‥その『まさか』だ」
ハンドルを切り、方向転換。
「‥‥‥ッ!!正気かてめぇーッ!!あの通信聞いただろォーが!!その耳は
飾りかっつーの!!」
「私は冷静かつきわめて正気だ‥‥君こそもう少し落ち着きたまえ」
そう言う間にも、車はどんどん国道を外れてゆく。
「最近越してきたばかりでまだ地理には疎いんだ‥‥が、私には解る。
『モービィ・ディック』は‥‥そこに『苦難』を『避ける』道がある、と言っている!!」
「ほぼ100%、あのクソシスターの手下が『鍵』取りにくるんだぞッ!!何でそれが
『苦難』を『避ける』道になるんだよォーッ!!信じられねぇーッ!!」
 
少女と運び屋を乗せた自動車は、真っ直ぐに新たな『目的地』へと進んでゆく。
そこにある『未来』を手にするために‥‥‥‥!!

5 :車の中:2001/11/19(月) 11:18
「・・・・・中門・・・・だな・・・・・」
車から流れる景色にもいい加減飽きたのか、
少女がポツリと口をこぼした。
「?・・・・一体・・・何の話しだ?ノリコ嬢・・・?」
『運び屋』が火の着いていないタバコを弄びながら尋ねる。
「そう言えば修繕の際に胎内から何か見つかったとか
 ニュースになってたな・・・・・・」
運び屋の問い掛けには全く答えずに
窓の外を見ながら少女は話しを続ける。
「ノリコ嬢・・・・君の話題はいつも唐突過ぎる・・・・
 一体何について話しているのだ・・・?」
『運び屋』が少女に顔を向ける。
だんだんと少女が苛立っているのが空気でわかっては
いたが、聞かずにはいられない。そんな葛藤の末の彼なりの
結論だった。
少女は軽くため息をつくと、一気にまくしたてた。
「・・・・・テメェ――で話し振っといて毎回毎回忘れてんじゃあ
 ねェ―――ぜェ――ッ!!!金剛力士像について
 知っている事尋ねたんだろォがぁ――――ッ!!!!
 場所はッ!『法隆寺』のッ!『中門』ッ!!
 『鍵』の隠し場所について推測してやってたんだッ!!
 いい加減理解しやがれッ!!
 このドンガメがぁ――――ッ!!」

6 :車の中〜法隆寺付近:2001/11/19(月) 11:19
顔を近づけて声を荒げる少女から少しでも遠ざかろうと
努力する『運び屋』だが、狭い車の中では敵わぬ夢だった。
「わかった・・・・わかったからとりあえずシートに座って
 話しをしてくれノリコ嬢・・・・・
 『法隆寺』だな?幸いここからは10分といったところだ。
 『モービィ・ディック』も・・・・・どうやら同意見のようだな。
 飛ばすとしようか・・・・・
 ところで・・・『無線』はどうなっているんだ?
 何か情報があれば役立つのだが・・・・・」
「さあね・・・・さっきから全く反応がない・・・・・
 クソシスターがお出かけしてんのか、それとも・・・・・」
「『勘付かれたのか』だな・・・・無線を仕掛けておいた事を・・・・」
少女の言葉を遮って『運び屋』が口を開く。
二人にとっては唯一の情報源なのだ。
考えたくない結論ではあったが、
最悪の結果も予測しておかねばならない。
置かれた状況に改めて恐怖を覚えたのか、
少女は無言のままだ。
気まずい沈黙のまま、車は『目的地』へと到着した。
ぽつり。ぽつり。降り始めた雨は強く、
境内には人っ子一人見つける事はできなかった。

7 :”A”『モービィ・ディック』:2001/11/19(月) 17:54
>>6
「さて‥‥さっさと済ませるとするか」
愛用の『海図』が描かれたロングコートをノリコの頭にかぶせてやる。
「濡れると‥‥風邪をひく。多少は‥‥雨よけになるだろう」
『モービィ・ディック』を出すと、物陰から周囲をうかがう。
「『中門』は‥‥どっちだ?」

8 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』その@:2001/11/19(月) 19:29
急な階段を見上げると、正面門が目に止まる。
石造りの階段は雨に濡れて、登るのに骨が折れるかもしれない。
見た所他のルートは無さそうだ。
配置的には中門はその奥、ということになりそうだ。
必ずしもそこが『鍵の置き場所』と決まったわけでは無いのだが。
第一、『鍵』がどのような形状をしているのかさえも
わかっていない。
この雨のおかげで人気がないのは助かったが―――
と、『運び屋』が考えを纏めていると
少女がコートを後ろから被せてくる。
「・・・・どうした?ノリコ嬢。仮にも君は依頼人だ。
 風邪などをひかれては困るんだが・・・・・」
困惑げに『運び屋』はコートと少女を交互に見やる。
「アンタ、変な超能力みたいの持ってんだろ?
 んであのクソシスターにもそんなのがあるみたいだし。
 でもアタシにはんなモン無いからな。足手まといだろ、きっと。
 大人しく車の中で待ってるよ。
 コレ以上アンタに迷惑かけらんないしな。」
言うが早いか、少女はドアを勢い良く閉める。降りしきる雨は、その勢いをだんだんと強めているようだった。

9 :”A”『モービィ・ディック』:2001/11/19(月) 21:13
>>8
ぴたりと閉まった車の窓を軽くノックすると、”A”はノリコにこう告げた。
「ありがとう‥‥だが一つだけ君は勘違いをしている。
私は君の事を『迷惑だ』などと思った事は無い‥‥そういうことだ」
返事は無い。が、無くてもいいと”A”は思った。
「10分ほどで戻る‥‥何かあったら渡した携帯を使うか‥‥クラクション
を鳴らして報せてくれ」
改めてコートを羽織ると、”A”は『モービィ・ディック』の示す『進路』に目を
配る。
「『正面門』‥‥このルート以外に『正しい』ルートはない‥‥のか?」

10 :”A”『モービィ・ディック』:2001/11/19(月) 21:15
>>9
追記‥‥持ち物は『携帯電話』『煙草とライター』『ロロ・トマシから預かった
奇妙なナイフ』の3つ。

11 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのA:2001/11/20(火) 01:40

「・・・・・・・・・」
少女からの返答は無かった。
少女はシートを倒して身体を横にすると、
そのまま動かなくなった。
 
『運び屋』のスタンド――『モービィ・ディック』は
『苦難を避ける方向』として正面門とは反対の―――
寺から遠ざかる方向を指し示していた。
『運び屋にとって』の『正しい』道とは
このままひき返すことのようだ。
少女の乗る車からも遠ざかって。
 
強く降りしきる雨のため、視界は良好ではないが
なんとか10メートル先までは見とおす事ができた。
どうやら階段を昇る以外に正面門まで辿りつけるルートは
無さそうだった。(*正しいルートが複数あったとしても『モービィ・ディック』が
 指し示す『指針』は常に一つ。最も『正しい』と思われる
 方角しか指す事はない。
 また、『後に控える困難を避ける為の身近な困難』に対しては
 非常に漠然とした『感覚』でしかわからない。
 あくまでも身近な困難を避けることを最優先に察知する。
 と、このミッション中ではさせてもらいます。)

12 :”A”『モービィ・ディック』:2001/11/20(火) 01:51
>>11
「ふん‥‥そうか、そういうことか『モービィ・ディック』。
ならば私の行動は‥‥‥ただ一つだけだ」
正面の門を、足元に気をつけながら登って行く。

13 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのB:2001/11/20(火) 13:05
激しい雨で―――徐々に弱まってはきていたが―――
かなり滑りやすくなっている石段を登り終えると、
正門のひさしが『運び屋』の身体を雨から守ってくれた。
冬の雨はとても冷たく、愛用のコートが無ければ凍えていただろう。
コートを渡してくれた少女の乗る車は、ここからでは
見ることはできなかったが、何かがあった場合のクラクションは
優に聞こえる距離だ。
髪にまとわりつく雨の雫を振り払うと―――
30メートルほど先には中門の姿を確認できた。
境内はもちろん、真っ直ぐに伸びる石畳にさえも
人影は全く見当たらなかった。
中門の内で微かに見えている巨大な『腕』は―――
おそらくは金剛力士像阿像,吽像のものなのだろう。
長年の歳月により多少劣化しているようにも思えたが、
その威圧する風体は遠くから見るだけでも十二分に
伝わってくる。
『運び屋』はシスターが無線で話した言葉を思い出した。
(―――フフ・・・――――『鍵』は――――
 ――――の・・・―――『金剛力士像』の足元に―――――
 ・・・・直に――――取りに――――)
 
『モービィ・ディック』は―――分っているとは思うが―――
しきりに石段を降りるように勧めていた。

14 :”A”『モービィ・ディック』:2001/11/20(火) 22:29
>>13
「‥‥‥‥‥‥‥」
石段を登り終えると、正門の影に身を隠し周囲を見回す。
(人影は‥‥無し、か)
”A”は石畳に足を踏み出しかけ――――止まった。
ポケットから、携帯電話を取り出す。短縮ダイヤル。
「ノリコ嬢‥‥そちらに異常は無いか?
こちらは‥‥特に人影は見えない‥‥先んじる事ができたようだな」

15 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのC:2001/11/21(水) 00:39

トゥルルルル・・・・トゥルルルル・・・・
10回・・・・15回・・・・少女はなかなか電話に出ない。
痺れを切らして『運び屋』が電話を切ろうとしたその時、
寝ぼけた声が携帯電話から聞こえてくる。
「・・・・だれだよチクショー・・・・
 人が折角気持ち良く寝てるってのに・・・・・・
 こっちは疲れてんだ!後にしろ!!」
―――プッ・・・!
不機嫌な声と共に電話は切られた。
脱走後、既にまる1日が経過していたが、
14歳の少女にはさすがに疲労の色が隠せない様子だった。
『運び屋』とて例外ではなく、疲れはピークに達していた。
『逃亡者』という言葉が重くのしかかる。
『運び屋』の精神の『カタチ』が言いたい事は―――
十二分に理解してはいるのだろうが。辺りにはやはり誰の姿も確認できなかった。
激しく降り続いていた雨は、幾分機嫌を直してくれたようだ。
だんだんと弱まっているのがはっきりとわかった。

16 :”A”『モービィ・ディック』:2001/11/21(水) 00:52
>>15
「そうか‥‥すまない、心配だったんでね」
(しかたがない、か‥‥手早く済ませるとしよう)
決断したならば、行動あるのみだ。
『モービィ・ディック』と併走するように、石畳を駆ける。
「来るなら‥‥来い!!」
小さな、しかし力強い声で”A”は呟く。

17 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのD:2001/11/21(水) 00:57

「オイオイ・・・・わざわざ『鍵』使う必要なくなったじゃあ
 ねーか・・・・・そっちからあらわれてくれるとはなあ・・・・」
『運び屋』が中門付近に近づくと、不意に声をかけられる。
声のした方向―――金剛力士吽像(左側)の足元には―――
一人の男が座って『運び屋』の方を凝視していた。
「お前・・・・『運び屋』だっけか・・・・少女はどうした?
 お前は依頼外だからな・・・・殺すだけ時間の無駄だ。」
男は缶ビールを飲みながら話しを続ける。 
「なあ『運び屋』・・・・お前『軍隊アリ』っての知ってるか?
 アフリカや南アメリカの中央部なんかに棲息しているヤツだ。
 こいつらはな、『視覚』ってのが無いから『恐怖』を知らねえんだ。
 だからどんなでっかい昆虫や動物だろうが餌にして食っちまう。
 村落なんかを襲うことだってあるんだぜ?
 逃げ遅れた家畜やペットはもちろん、ネズミ、ヘビまで全部が食い物だ。
 こいつ等が通った後には生き物は何一つ残りゃしねえ。
 『恐怖』を知らないってのは文字どうり『恐怖』だよなあ・・・・・」
男は飲み干したビール缶を投げ捨てる。
乾いた音が辺りに響いた。

18 :”A”『モービィ・ディック』:2001/11/21(水) 01:09
>>17
「ご高説ありがとう‥‥しかし今はそれどころではないんだよ」
男に向かって、『モービィ・ディック』に足元の玉砂利を蹴り飛ばさせる。
そしてそれを目隠しに『モービィ・ディック』を突っ込ませ、連打を叩き込む。
 
パワー:C スピード:B

19 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのE:2001/11/21(水) 01:21

―――ガオン!
『モービィ・ディック』のパンチは空を切る。
男は座ったままの姿勢で―――一瞬で奥へと『移動』していた。
標的を見失った玉砂利が辺りにちらばる。
微かに血の臭いが漂ってくるのがわかる。
「まあお前が焦るのもわかるがな、こちとら『鍵』持って帰った後は
 暇でしょうがないんだ。ちょっとくらいは
 俺の『遊び』につきあってくれてもいいだろ?」
男は薄笑いを浮かべて『運び屋』を眺めている。
「なに、簡単なゲームだ。俺から逃げきれればお前の勝ち。 
 『鍵』もついでに持ってけよ。後ろの像の足元に転がってる
 『首輪』がそうだ。
 もし逃げきれなければ―――ゲームオーバーだ。
 ガキの居場所を教えてもらうぜ。
 ククク・・・・・・
 お前名前なんてんだ?名前占いでもやってやろうか?
 絶対大地獄だぜお前。
 『恐怖』を知らないスタンド・・・・・想像つくか?」
不敵な笑みを浮かべ、男が顎をしゃくる。
『ゲーム』スタートの合図ということだろうか。

20 :”A”『モービィ・ディック』:2001/11/21(水) 01:41
>>19
「お前は一つ‥‥‥『勘違い』をしている」
用心しながら、『首輪』を『モービィ・ディック』に拾わせる。
「予告しよう‥‥お前はこの『ゲーム』に負ける。
それは私のスタンドの力でも、お前のスタンドの力でそうなるのでもない。
お前は肝心なところを『勘違い』しているからだ‥‥だからお前は『負ける』。
‥‥絶対にな」
”A”はそれだけ言うと、正門へ向かって早足で歩いてゆく。

21 :”A”『モービィ・ディック』:2001/11/21(水) 09:04
>>20
正門から出たら、自分の車には近づかず、かつ『モービィ・ディック』が
示す『進路』に従って進んでゆく。

22 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのF:2001/11/21(水) 12:57
『首輪』を取ろうとする瞬間―――『モービィ・ディック』の
足元に僅かな痛みが走った。
辺りを見まわしても何も異常は無さそうだった。
仁王像の下では薄暗い闇が血の臭いを微かに
残していた。
男は腕組みをし、薄ら笑いを浮かべたままだ。
「『勘違い』ねえ・・・・んなことよりも必死こいて
 逃げたほうがいいと思うぜぇ〜?」
男の言葉を背に、『運び屋』は正門をくぐる。
と、背後で大きな音が聞こえてきた。
ドドドドド・・・・・・!
規則正しく響く重低音に『運び屋』が背後を振りかえると・・・
30メートルほど後方には先ほどの男がアメリカンバイクに
乗ってエンジンを吹かしている様が見て取れた。
『モービィ・ディック』の『指針』は―――男を向いている!

23 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのF:2001/11/21(水) 12:57
「ヒャハハハハッ!!バカ正直に『ゲーム』なんて
 引き受けやがってよぉ〜〜!!
 お前が現れた以上『鍵』なんざ必要ねーからなぁ・・・
 どーせ例のガキもここらにいるんだろ?
 じっくり探させてもらうぜぇ〜〜
 お前を殺した後でなぁ!!」
ドドドドド・・・・・ウォン!!
アクセルを乱暴に回すと、男は東門―――『運び屋』から見て右側
の門―――から走り去ってゆく。
男を追おうとすると―――『運び屋』は軽い脱力感を覚えた。
ずるり・・・ずるり・・・・・
何かが這い寄ってくる音が聞こえてくる。
と同時、ポケットに入れておいた携帯電話が激しく振動を
始めた。この元気なリズムは―――『彼女』だろう。
 
既に雨は小降りになってきていた。
それだけに、『音』はその存在を主張していた。
・・・・・ずるり・・・・ずるり・・・・・・
だんだんと『音』が近づいてきているのが『運び屋』の耳には
やけに鮮明に聞こえた。

24 :”A”『モービィ・ディック』:2001/11/21(水) 15:29
>>22-23
「『馬鹿正直に』、か。
全く同感だ。私もこの『ゲーム』を受けるつもりはない」
携帯電話を取り上げながら、”A”はつぶやく。
「が、しかし不味いな……おそらくやつのスタンドは『遠隔自動操縦タイプ』、それも
わざわざ『軍隊アリ』なぞを例に挙げたということは『群体型』である可能性が高い。
ついでにいうなら、既に私は自動操縦タイプの『攻撃目標』としてセット完了されている
ようだな。
……とりあえず、やつに追いついてブチのめすのが最良の選択か」
ため息をつくと、正門を駆け下りる。
「どうした?ノリコ嬢、何かあったのか!?」

25 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのG:2001/11/21(水) 16:02
「『何かあったのか』じゃあねェ――だろォ――がッ!!
 たかが鍵一つ取って来るだけで何時間かけてんだ
 オメェーはよォ――――ッ!!
 『無線』だッ!!あのクソシスター動きやがったぞッ!!
 『鍵』を使う『モノ』がある場所がわかったッ!!
 詳しく説明するからさっさと車に戻って―――」
甲高い少女の声が耳に響く。が―――石段を
降り終える瞬間―――『運び屋』の足は言う事を聞かずに
段を踏み外してしまうッ!
丸1日の逃避行の疲れなどでは到底説明出来ないほどに
『運び屋』の足は『疲労』していた。
「―――おいッ!!聞いてんのかッ!?
 なんか返事しやがれこの―――!!!!」
痛みを堪えながら立ちあがろうとする『運び屋』の手からは
やけに場違いな声が聞こえていた。
 
・・・・ずるり・・・ずるり・・・

26 :”A”『モービィ・ディック』:2001/11/21(水) 21:26
>>25
「ノリコ嬢‥‥すまないが車から降りてくれないか?」
近くに生えていた木の幹に捕まりながら、携帯に耳を寄せる。
「すこしばかり‥‥厄介な事になった。
追っ手の‥‥攻撃を受けてね、今から反撃に移るところだ。
そのために車が要る、が、君まで巻き込むわけには行かない‥‥。
暫く降りて身を隠していてくれ‥‥下水の中あたりがいいんだが、マンホールの
蓋を外すのは君では‥‥少々重労働かな」
手近なものに掴まりながら、車を目指す。
(敵の能力はおそらく‥‥『何か』を頼りに自動的に追跡‥‥こちらに取り付いて
『体力』を吸い取る‥‥後に待つのは『衰弱死』‥‥といったところか。
問題は‥‥『何か』が何であるか、ということだな‥‥まだ推測の域は出ていない
が‥‥車に戻れたら‥‥取り合えず試してみるか)

27 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのH:2001/11/23(金) 21:46
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
突然、少女の声が聞こえなくなった。
イヤ―――何かが携帯電話の向こうから聞こえてくる―――
ギャリギャリギャリギャリギャリッ!!―――ドグシャァッ!!!
ボゴン!・・・・・・・・・ギャギャギャギャギャッ!!!!
  
 
 
 
派手な音を立てながら、段々と『運び屋』に近づいてくるその『車』には
見覚えがあるだろう。既に原型を留めているとは言い難かったが。
「『アタシが逃げろって言われて「はいそうですか」って引き下がると
 思ってんのかァ――――・・・・?
 うだうだ寝言言ってる暇があるんなら・・・・・
 とっとと車に乗れってんだよッ!こォのドンガメがァ――――ッ!!!!」
猛スピードで『運び屋』めがけてつっこんでくる。
「例えるなら・・・・毎朝遅刻ギリギリに登校しているネボスケ男が
 必死こいて朝食かっ食らうよォ――によォ―――!
 そのスットロイ足動かせてめェ―――『運び屋』ァ――――ッ!!」

28 :”A”『モービィ・ディック』:2001/11/23(金) 22:50
>>27
”A”の直前で『車だったもの』は停止した。
「これは‥‥『名人芸』と言うべきかな」
指を使って自分と『車だったもの』の距離を計る。約三センチ。
暫く眉根にしわを寄せて、”A”はそれを凝視した。
「まあ‥‥いいか、どうせ『乗り換える』つもりだったしな」
嘆息する”A”に、ノリコはさらに罵声を浴びせる。
「いいからサッサと乗れってんだッ、このアホがァ――――ッ!!」
ドアは酷く歪んでおり、開けるのにまた一苦労を要したがかろうじて乗り込む。
「今度からは‥‥着いて来て欲しくない時は『着いて来い』と言う事にするよ」
手早くブレーキ、アクセル等をチェックする。
「なんとか走れるか‥‥ノリコ嬢、シートベルトはキッチリ締めろよ。いつ『事故』
を起こすか解らんからな」
発進と同時に、『モービィ・ディック』を発現させると、中門での出来事をノリコに
語る。
「私とて‥‥意味も無く攻撃を受けたわけではない‥‥『モービィ・ディック』で
『追跡』するには‥‥『攻撃』され『苦難』に逢う必要があったからだ!!
今‥‥『モービィ・ディック』はヤツのいる方向を指し示している!!」
その後の言葉を、”A”は飲み込んだ。
(さて‥‥私が身動き取れなくなるのが先か‥ヤツを見つけるのが先か‥‥
時間との闘いだな、これは)

29 :”A”『モービィ・ディック』:2001/11/23(金) 22:51
>>28
追記。
現在、足(自分もスタンドも含めて)はどんな状態になっている?

30 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのI:2001/11/23(金) 23:26
『車』は何故動いているのか不思議なほどに
歪んでいたが、走行自体にはさほど支障はなさそうだった。
絶えず続く振動には閉口せざるを得ないだろうが。
「なあ・・・・さっきから思ってたんだがアンタ・・・・・」
車が再び動き出すと、少女が『運び屋』の足を見ながら
口を開いた。
「『それ』・・・・・なんなんだ・・・・・・?」
少女の顔が強張るのがわかるが、『運び屋』には
自分の足には何も異常など無いように『見えた』。
この場合『何も見えなかった』と言った方が正しいのだろうが。
極度の疲労が―――足からエネルギーが流れ出てゆくような
感覚だけが『運び屋』にはあった。
少女が『それ』を凝視していると・・・・・
『運び屋』の座っているシートが突然陥没する・・・!
「うあああッ!!しっかりしやがれッこのバカッ!!」
ハンドルをあらぬ方向へと切ってしまう『運び屋』の手を、
少女は必死に抑えつける。
「何を『連れて』来てんだッオメェ―――はよォ――――ッ!?
 『そいつ』・・・・・『動いて』やがるぞッ!!!」
『陥没』の理由は―――座席の下部分ごと『そいつ』に切断された
からのようだ。
アクセルを踏む足には既に感覚はほとんど無かった。
時速100キロを超える速度で、『車』は駅へと向かっていた。

31 :”A”『モービィ・ディック』:2001/11/24(土) 00:08
>>30
「見えて‥‥いるか、やはり、な」
さりとて”A”の頭はノリコを戦力として数えるなどということはしていない。
せいぜいが『見えるのなら敵の攻撃を避けるくらいはできるだろう』程度だ。
「いろいろ説明したいところだが、これが先ほど言った『追っ手』の『攻撃』
だ、とだけ今は言っておこう。
どうやら‥‥右足はそろそろ使い物にならなくなりそうだな」
淡々と事実だけを述べる。
「『モービィ・ディック』は‥‥駅をさしているか」
アクセルを踏む力が弱くなったためか、『車』のスピードが落ちてくる。
「もう少し‥‥止まるならなるべく『駅』に近い方がいいからな」
スタンドの右足も同様に動かないようだ、が‥‥。
「言い換えれば‥‥どちらも『左足』は動くということだ」
『モービィ・ディック』の『左足』で、アクセルをブレーキを操作する。
「とはいえこれも時間稼ぎか‥‥すまないがノリコ嬢、私の『右足』はどう
なっている?
私には全く『異常』が見えないのでね‥‥君の意見を聞きたい。気付いた
ことがあったら‥‥なんでも言ってくれ」

32 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのJ:2001/11/27(火) 22:48
「アンタの身体の中から何かが・・・・・
 『そいつ』に流れていってるのがわかる・・・・・
 『そいつ』は―――体長5cmくらいの『そいつ』は
 アンタの『何か』を栄養にどんどん増えてやが・・・・・
 おいッ!前見て運転しやがれッつってんだろがァ――――ッ!!!!」
―――ッパッパァ―――ンッ!!!ギャギャギャギャギャッ!!!!
『運び屋』はどんどん疲労が激しくなってゆく足元に気をとられていた為、
対抗車線を越えているのに気づかなかった。
木材を溢れんばかりに積んだトラックはギリギリで『車』のドアを掠めていった。
「イイからアンタは『そいつ』に集中してろッ!!
 運転はアタシがやってやるッ!!」

33 :”A”『モービィ・ディック』:2001/11/28(水) 22:04
>>32
「君の運転は‥‥すまないが遠慮したい‥‥フロントグラスのヒビ、半分
外れかけたドア‥‥燃料漏れも起こしているようだ。これ以上壊されでも
したら本当に走らなくなる」
”A”は顔をしかめる。
「対抗車線には‥‥以後、気をつけるとするよ。
それに恐らくこのタイプの”スタンド”‥‥そう、君が”超能力”と呼んでいた
ものだが‥‥これは本体を倒すのが一番早いんでね。
今足にへばりついているやつらを倒しても‥‥焼け石に水だ。
それに‥‥私に『敵』がくっついてる間は‥‥君は安全だろう?」

34 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのK:2001/11/28(水) 23:01
「まあアンタがそれでイイってんならアタシは全然かまわねーぜ・・・
 シスターが『無線』で言ってた『駅』に向かうのはいいとして・・・・
 アンタの足・・・・それまで持つとは到底思えないぞ・・・・?
 ―――ッ!なんか・・・・・なんか『ヤバイ』ぞッ!オイッ!!」
少女が声を張り上げる。
『運び屋』が少女を不思議げに眺めていると、胸の辺りが
ふいに深く抉れるのがわかった。
まるで透明な何者かに殴られたかのように―――傷口からは
真っ赤に服を染める血が流れ出していた。『モービィ・ディック』は危機を教えているのだろうが、狭い車内では
彼の忠告はさほど意味を成さないようだ。
少女が必死に暴れるハンドルを抑えている。
「だからまかせろって言っただろォ――がァ―――ッ!!
 速いトコ『そいつ』なんとかしやがれテメェ―――ッ!!」
軽く蛇行運転をしながら、車は北を目指していた。

35 :”A”『モービィ・ディック』:2001/12/02(日) 23:01
「ぐうっ‥‥‥!!」
反射的にハンドルから離した片手で胸元を抑える。
「まずいな‥‥!!
ここもでくると‥‥『モービィ・ディック』の示す『苦難』が‥‥『本体』では
なく‥‥『こいつ自身』に‥‥なってしまうッ‥‥!!」
いや、それ以前に‥‥身体が持たないかもしれない。
「止むを得ん!もう少し粘るつもりだったが‥‥『モービィ・ディック』ッ!!
こいつを叩き潰せッ!!」
見えない敵目掛けて、『モービィ・ディック』は拳を叩き込んだ。
「そして‥‥試して見るか!!」
胸元に流れ出る血を掌で拭い集め、”A”は敵スタンドがいると思しき空間に
己の血液を撒き散らす!!

36 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのL:2001/12/02(日) 23:37
「くらえッ!『モービィ・・・・ディックゥゥッ!!』」
ボグゥッ!メグシャァッ!!
『運び屋』の精神のカタチが前方の空間を殴りつける。
拳は確かに『何か』を捕らえていた。
前方の空間が一瞬不自然に歪む。
「おいッ!オメェ―には見えてねぇだろォ――がよォ―――
 『そいつ』にダメージあったみたいだぜェ――ッ!!
 もっと殴りつけてやれッ!ズタボロの雑巾と見分けがつかない
 くらいによォ―――ッ!!」
少女がハンドルを抑えながら嬉々として語り掛ける。
「・・・・・・・・・・・・・」
が、『運び屋』は沈黙を守っていた。
「おい・・・・・一体・・・・・?」
不自然な態度の『運び屋』に、少女が心配そうに語り掛ける。
「コレ・・・・は・・・・・・ッ
 ・・・くッ・・・・ダメージが・・・・・私に・・・・・ッ・・・・?!」
『運び屋』の足には、『モービィ・ディック』が殴りつけたような
痕がはっきりと浮き出ていた。
「‥‥試して・・・・見るか・・・・ッ!!」
『運び屋』が前方に血を撒き散らすと―――
なにやら人影のようなモノが蠢いているのがわかった。
一瞬で『それ』は見えなくなったが。
だがその一瞬―――またもや『人影』がパンチを繰り出してくるのが
『見えた』。

37 :”A”『モービィ・ディック』:2001/12/03(月) 00:29
「不味い‥‥な!」
『モービィ・ディック』で咄嗟に『敵』のパンチをガードしようとする。
「これは不味い‥‥この『敵』への攻撃は‥‥私に跳ね返ってくるッ!!
だが、しかしッ!!」
不精髭の伸びた口元を歪めながら、”A”は構わず拳を叩き込む!!
「どのみち動かない足だ‥‥多少壊れたところで然したる支障はないッ!!
足の一本はくれてやろう、しかしお前にはここで『途中下車』してもらうぞ!!」
そして今度は、車内の匂い消しに使っていた消臭剤の瓶の蓋を開くと、『敵』に
振り掛ける。
(そして、もう一つだけ確かめさせてもらおうか‥‥!!)

38 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのM:2001/12/03(月) 17:28
「どのみち動かない足だ‥‥多少壊れたところで然したる支障はないッ!!」
『モービィ・ディック』の拳が唸りをあげて見えない敵に襲いかかる。
自らの足に、刺すような痛みを覚えながらも『運び屋』はラッシュを止めなかった。
「足の一本はくれてやろう、しかしお前にはここで『途中下車』してもらうぞ!!」
―――が、言葉とは裏腹に、次第に『モービィ・ディック』の動きは鈍くなってゆく。
『運び屋』は『疲労』が腹部まで『這い上がって』きているのを感じていた。
それに伴い、敵の攻撃は激しさを増してゆく。
「・・・・『バ・・・イ・・・・ロ・・ネ・・イ・・・・・ア・・・・』・・・・」
徐々に、徐々に前方の『モノ』が姿を現してゆく。
何千、何万もの蟲が形作っている『それ』は
―――認めたくはないだろうが―――
『モービィ・ディック』そのものを模していた。
『運び屋』の腹部から『生えて』いるそれは、醜くうごめきながら
笑みを作ったような気がした。
「・・・・オマ・・・エノ・・・・・・ヨ・・・コセ・・・・・・
 ・・・・アッタケエダロォナァァァアアアアァアアァァアアアアアア!!!!!」
真っ赤な血を流す『運び屋』の胸部を目指して、『それ』は
激しく攻撃を繰り出してきていた。
「うおああッ!!・・・・もう一つだけ・・・・確かめさせてもらおうか‥‥!!」
ぎりぎりで『それ』―――『バイロネイア』と名乗ったのだろうか―――の攻撃を
耐えながら、『運び屋』は消臭剤を撒き散らす。
――――が――――然したる変化は見せずに『バイロネイア』は
ラッシュを繰り出してくるッ!
攻撃をなんとか防いでいる『モービィ・ディック』の腕は、
限界が近いことを教えていた――――

39 :”A”『モービィ・ディック』:2001/12/08(土) 02:16
>>39
「やれやれ‥‥いよいよか。
両足は動かず、『モービィ・ディック』もそろそろ限界‥‥」
震える手で胸のポケットから煙草を一本引き抜き火をつける。
「姿を浮かび上がらせるために使った消臭剤も‥‥無駄になってしまったな
‥‥結構気に入っていたのだがな」
胸一杯に吸い込んだ紫煙を吐き出すとノリコの方を向いた。
「まあなんだ‥‥最悪ここで君には降りてもらう‥ことになるかもな。
いつでも‥降りれる準備をしておいてくれ」
ダッシュボードの上に、『モービィ・ディック』が『首輪』を置く。
「これが『鍵』だそうだ‥‥何に使うかは知らんがね。
さて‥‥そんなに『血』が欲しいならくれてやろう‥‥あまり上等な代物では
ないが、ね」
そう言うが早いか、”A”は割れたサイドウインドウに手を突っ込むと‥‥
 
手首をガラスでかき切った。

40 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのN:2001/12/08(土) 16:57
醜く蠢く『モービィ・ディック』のパンチを 『モービィ・ディック』で
受けとめる。
――が、パワーの差は埋まるハズも無く、じわり、じわりと
心臓部めがけて『モービィ・ディック』はその進入を止める事は無かった。
『運び屋』の顔には自嘲の笑みが浮かぶ。
「まあ・・・なんだ‥‥最悪ここで君には降りてもらう‥ことになるかもな。
 いつでも‥降りれる準備をしておいてくれ」
ダッシュボードの上の『首輪』を一瞥する。
「・・・これが・・・『鍵』だそうだ‥‥何に使うかは知らんがね。
 さて‥‥そんなに『血』が欲しいならくれてやろう‥‥あまり上等な代物では
 ないが、ね」
「オイッ!テメェ―――ッ・・・・なに考えてやがるッ!!」 
声を張り上げる少女の声は無視して『運び屋』は割れたサイドウインドウに手を突っ込む‥‥
「ま・・・さか・・・・ヤメロォォォォォォ―――ァァァァ―――ッ!!!!」
躊躇いもせずに『運び屋』は自らの手を振り下ろす。

41 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのN:2001/12/08(土) 16:58
車内が一面赤に染め上げられる。
嘲笑うハロウィンかぼちゃのように『運び屋』の手首には傷跡が広がっていた。
「・・・これで・・・『ハズレ』・・・なら・・・・・」
一心に『モービィ・ディック』を睨みつけながらも言葉を発する『運び屋』。
だが、彼の身体がだんだんと冷たくなっていくのに『少女』jは気付いていた。
「『運び屋』テメェ―――ッ!!アタシを運ぶって約束しただろォ――がァ―――ッ!!
 ンなとこでくたばってんじゃぁねェ―――ぜェ―――ッ!!!
 しっかり目ェ開けて運転しろってんだよォ――――ッ!!!」
・・・・ボ・・・ギュ・・・・メギャン・・・・!だが―――蠢く『モービィ・ディック』は吹き出す鮮血には目もくれずに
向かってきていた。既に胸のあたりまで『摂り込まれて』いるのが『運び屋』には
わかった。

42 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのN:2001/12/08(土) 16:59
「やれやれ‥‥いよいよか。
両足は動かず、『モービィ・ディック』もそろそろ限界‥‥」
震える手で胸のポケットから煙草を一本引き抜き火をつける。
「姿を浮かび上がらせるために使った消臭剤も‥‥無駄になってしまったな
 ‥‥結構気に入っていたのだがな・・・」
胸一杯に吸い込んだ紫煙を吐き出すとノリコの方を向いた。
「コイツが私を『摂り込む』までにはもう少しだけ時間がかかるだろう・・・
 その間に君は逃げろ・・・・駅に・・・・なにかがあるんだろう?
 ・・・『それ』を・・・手に入れるんだ・・・・
 君の命だけは・・・・『運ばせて』もらおう・・・・・」
最後の力をふりしぼって少女に話し掛ける『運び屋』。
だが、少女は意外にも呆けた顔をしていた。
ギリギリの緊張の糸が切れてしまったのだろうか・・・・?
それともシスターから逃げる事に対して諦めを・・・・?
(違う・・・・この少女は決して諦めたりはしない・・・・・
 自分の道から目を背けたりは・・・けしてしない・・・・
 ・・・・・・・・・・ならば・・・・なぜ・・・・・・・?)「・・・・オイ・・・・それ・・・・」
妙に声の調子の外れた少女の声がやけに耳に残った・・・・

43 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのN:2001/12/09(日) 19:04
「・・・・オイ・・・・それ・・・・」
妙に調子の外れた少女の声がやけに耳に残った・・・・(・・・・・いったい・・・・なに・・・を・・・・・?・・・)
少女の目線をゆっくりと追ってゆくと・・・・
赤々と燃えるライターの火を持つ右腕――先ほど手首を切った腕に――
蠢く『蟲達』が集まってきていた。
アレほど激しかった『モービィ・ディック』の攻撃は
今では影も形も見ることはなかった。
「アッタケェ――――――ッ!!ウケケケケケカtッ!!
 ウバッテヤルゼェ――――ッ!!」
『モービィ・ディック』は――『運び屋』の右手に『入ったり』『出たり』を
繰り返していた。
しばらく走ると――駅が見えてきた。
右足、わき腹などは相変わらず動かすのも困難だったが、
他に外傷と呼べるものは少ないようだった。心臓部への攻撃は
表面を抉っただけのようで、既に血は止まりかけていた。
手首を切った『右腕』には――『蟲』がまとわりついているせいか
止血の代わりを果たしてくれているようだ。負傷部を確認しながら車を進めていると
どこかで見たようなバイクが目に入る。
近くにいるのは―――

44 :”A”『モービィ・ディック』:2001/12/10(月) 01:59
>>43
「‥‥ふむ」
”A”は手首にきつくハンカチを巻きつけ、鼻を鳴らすと‥‥
 
SE:ドン!!
 
例の”バイクの男”を車で跳ね飛ばした。
とはいえスピードはかなり落ちていたので死にはしないだろう。
足を引きずりながら、車から降りる。
「いやすまない‥‥ちょっとばかり『疲れて』いたんでね‥‥ブレーキを
踏むタイミングがが少しばかり遅れてしまったよ」
いけしゃあしゃあとそんなことを抜かしながら、さらに男に近づく。

45 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのO:2001/12/10(月) 16:49
バイクと仲良く法隆寺で出会った男は派手に吹き飛ばされた。
地面に落ちてピクリとも動こうとはしない。(はぁ―――ッはぁ――――ッあのヤロウ・・・・俺のバイロネイアが
 捕まってるじゃあねェ――かッ!クソッタレがぁ―――ッ!
 はぁ―――はぁ―――・・・・
 落ちつけ・・・・・冷静になるんだ・・・・
 俺のバイロネイアは標的の熱の最も高い場所を探知して攻撃する
 遠隔自動操縦だ・・・・今はあのクソッタレのライターのせいで
 くびり殺すことができねぇようだが・・・・ククク・・・・
 ぜぇ―――ッぜぇ―――ッ・・・・もっと近づいてこい・・・・
 倒れたバイクから漏れだして辺りに広がったガソリンで火を放ってやる・・・
 はぁ―――ッはぁ――――ッ・・・・俺が焼け死ぬよりも先に・・・
 あのクソッタレが摂り殺されるのが先ってワケだぜぇ―――・・・
 こいッ!俺の生死を確かめにもっと近づいてきやがれッ!!
 このイモヤロウがぁ―――ッ!)
 
 
 
『運び屋』との距離は現在10メートル!
急がないとそろそろ騒ぎを聞きつけた駅員が駆けつけてくるだろう・・・

46 :”A”『モービィ・ディック』:2001/12/11(火) 00:06
>>45
「‥‥‥ん?」
あと8メートルといったところで、”A”はぴたりと歩を止めた。
「‥‥ふむ、そうか。『もう少し左』か‥‥」
そう呟くと、左に五歩ほど移動してから更に前進する。
「いや‥実際危なかったよ‥‥最後の最後まで『攻撃』の『スイッチ』を私
は誤解していたわけだからな」
赤々と火を点す『ライター』を持った右腕を差し上げた。
腕には無数の『蟲』たちがへばりついている。
「なんというか‥‥一度覚えた物の、最も『温度』が高い場所を自動攻撃
する‥‥それがお前のスタンド‥‥『バイロネイア』とか言ったかな?それ
がお前の能力というわけか。ところで──」
そこで一旦、言葉を切る。
「いつまでそこで寝転んでいるつもりだ?風邪を‥引いてもしらないぞ?」
そう言った途端、周囲に大量の『水』が降り注いだ。
「『モービィ・ディック』が示した進路の先には‥‥『消火栓』があった。
すなわち『消火栓』が『苦難』さけるのに必要だったということだ‥‥」
跳ね飛ばされた男のバイクが、『消火栓』をへし折り水を噴出させている。
しかし『モービィ・ディック』に、すでに『水を被らずにずむ進路』を示された
”A”の身体には、一滴の雫もかからず当然ライターもそのまま火を点して
いた。
道路を流れるガソリンもどんどん洗い流されて行く。
「さて‥‥私の『モービィ・ディック』は、スピードはともかくパワーは十人並み
だ。お前が再起不能になるまで何発殴ればいいのか検討がつかん。
とりあえず‥‥なんだ、その、やりすぎてしまうかもしれんが‥その辺は勘弁
してくれ」
 
 
叩きのめす。

47 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのP:2001/12/12(水) 00:27
ドドドドドドドドドド・・・・・・!!!
うつぶせに倒れたままの男にゆっくりと近づいてゆく『運び屋』。
「そちらが起き上がらなくても・・・
 私はお前を殴るのを止めたりはしないぞ・・・・・」
ゆっくりと、しかし確実にその足を進めてゆく。
ほとんど動いてくれない左足を使って歩くのは困難を極めたが
たかが10数メートルの距離だ。
『進路』に沿って進むだけの力くらいは残されていた。
「フフ・・・・そして・・・・」
「うるせぇああああああああああああああ!!!!!!!!
 くたばれダボがぁぁああああああああ!!!!!!!!!」
『運び屋』が『男』と接近したその瞬間!
『男』がガソリンが染み込んだ自らの服に火を燈して
殴りかかってきた。
抱きついた、と『男』は思った――――
確かに足音のする方向に飛びついた筈なのだ。
足を引きずるな音に向かって―――
『男』が次の瞬間目にした物はボロボロのコートだった。

48 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのP:2001/12/12(水) 00:28
「高かったんだがね・・・・」
「―――ハッ!」
背後の声に『男』が振り向くと同時、『運び屋』の精神のビジョンが
その拳を振り下ろしていた。
―――ドグシャアッ!!
「さて‥‥私の『モービィ・ディック』は、スピードはともかく
 パワーは十人並みだ。お前が再起不能になるまで
 何発殴ればいいのか見当がつかん。
 とりあえず‥‥なんだ、その、やりすぎてしまうかもしれんが‥
 その辺は勘弁してくれ」
「てっ・・・テメぇ・・・騙し・・・・」
「『モォォ―――――ビィィィィィ・・・・・・・・!!!!!
         ・・・ディィィィィ―――――ックゥゥゥゥアアァァァッ!!!!!!!!!!!』」
『男』の言葉を遮って『モービィ・ディック』がラッシュを叩きこむッ!
拳の全てが『男』の身体に吸いこまれるようにヒットするッ!
「ぅぁうぅごめしゃばあああああぁぁあああぁあああ!?!!!!」
『男』が草藪に向かって突っ込んでいった。
「・・えと・・・・なんだって・・・?
 よく聞こえなかったんだが・・・もう一度話して・・・・くれないだろうな・・・
 さて・・・・我々が乗る『電車』は・・・・何番ホームだったかな・・・」
力を取り戻した右手を耳に当てながら『運び屋』はひとりごちる。

49 :『バイロネイア』と『モービィ・ディック』そのP:2001/12/12(水) 00:30
「・・・テメェ――・・・やるときはやるんだな・・・」
走って追いついてきた少女が恐る恐る『運び屋』に話し掛けてくる。
「なんとか『電車』に間に合えばいいんだがね・・・
 急ぐとしよう・・・・『鍵』を何に使うのかさえも私達はわかっていない・・・」
「・・ンなこたァわかって・・・ってやっべえぜェ―――ッ!
 人が集まってきやがったッ!!グズグズしてんなドンガメがァ―――――ッ!!」
言うが早いか、少女はホームに向かって駆け出した。
「やれやれ・・・手のかかるお姫様だ・・・・」 
コートについた埃を払いながら、『運び屋』は『進路』に向かって歩き出した・・・・・ 本体名:リーグ・メイト スタンド名(バイロネイア)再起不能(リタイア)
                            →to be continued....

50 :『幕間』:2001/12/12(水) 03:16
「しかしよォ‥いくらなんでも手首切るかフツー‥‥」
巻きつけていたハンカチを縛りなおす”A”を横目で見ながら(利き腕でない
ほうの手でやっているためか、縛るのに四苦八苦していたが)、なかば呆れ
たようにノリコが言う。
「結果オーライで倒せたからよかったものの‥‥死ぬかもしれねーとか
考えなかったのか?」
ノリコの問いに、”A”は困ったように頭を振った。
「何故かな‥正直よくわからん。気がついたらやっていた。ただ‥‥」
「‥‥ただ?」
「ああすれば‥‥君を護れると思ったんだ‥だからかな」
そう答えると、舌打ちをしてまたハンカチを巻きなおそうとする。
「‥‥‥‥‥‥‥」
その手をぐい、とノリコは乱暴に掴むとハンカチを”A”の手首に巻きつけた。
「‥‥ありがとう」
「こんなとこでくたばられて困るのはアタシだからな‥ヘンな勘違いすんじゃ
ねーぞ」
「?ヘンな勘違い?」
「‥‥‥もういいテメーはやっぱただのバカだ。黙ってろ。
‥‥‥と、終わったぜ」
ノリコが手首を縛り終えると、”A”は懐から何かを取り出した。
「なんだそりゃ‥‥携帯?」
「そう‥あの『追っ手』の携帯だ‥‥もしあの男が他の『追っ手』とこれで
連絡したことがあったら‥‥手がかりになるかもしれん」
「‥‥つーか何時の間にギってきたんだ?」
「あの男が飛びつこうとしてきた時にな‥‥『モービィ・ディック』はスピード
と正確な動きには自信があるのでね」
  
 
こうして二人を乗せ、『列車』は新たなステージを目指す。
そこにある『未来』を信じて──
  
 
                            ___________|\
                          [|[||  To Be Continued    >
                             ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|/

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